マネバナナ

アーリーリタイアを夢見るアラフォーママが好きなことを好きなように書いています

『えほんのせかい こどものせかい』子どもを本の国に招きいれるために親ができることとは


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『えほんのせかい こどものせかい』を読みました。

 子どもと絵本に対する著者の愛が溢れた本でした。

子育て中の方に胸を張っておすすめできる1冊です。

 

目次

 

内容

著者は翻訳家であり、児童文学研究者でもある松岡享子さん。

東京こども図書館を設立し、現在は終身名誉理事長も務めている。

本書はそんな経歴をもつ著者が、長年絵本と子どもの関わりを見守ってきた経験から得た知識をもとに「子どもを本好きにする方法」「絵本の選び方」「読み聞かせの方法」について解説したものである。

「読み聞かせの方法」では34冊の絵本をピックアップし、複数人の子どもに対して読み聞かせる際のポイント、絵本の読み方などを詳細に解説している。

我が子に対して読み聞かせを行う人にとっても、複数人の子どもに対して読み聞かせを行う人にとっても非常に参考になる本である。

 

感想 

 

この本は、著者の子どもと絵本に対する思いが溢れており、今まで読んだ読み聞かせ関連の本の中で一番子どもに寄り添っていると感じました。絵本や読み聞かせに関する本は、売るためにどうしても「絵本を読み聞かせると子どもが賢くなる」という部分を強調しがちです。でも、この本では「子どもを賢くするために絵本を読み聞かせる」ということは一切主張していません。「子どもは字が読めないから、自分からは書物の国に入れない。だから、子どもが書物の国の国境まで来たら(本を手に取ったものの字が読めずに困っていたら)、大人は門を開けて招き入れてあげて欲しい(絵本を読み聞かせてあげて欲しい)。」と言っています。もちろん、子どもが書物の国の国境にたどり着くためには親の働きかけが必要です。絵本を購入して家に置いてあげたり、図書館に連れて行って一緒に絵本を選んだり。そういうことをこの本の前半では著者のゆったりとした口調で語っており、著者の講演を目の前で聞いているような錯覚に陥りました。

 

絵本の選び方もとても詳しく解説されていました。ポイントは以下の3つ。

➀一通り読んで、全体の感じや訴えてくるものの内容や強さをつかむこと。

②既に評価の定まっている絵本と比較して、それと共通の要素があるかどうか見ること。

③自分のもっている良い絵本の条件に照らして、その絵本を分析的、批判的に見ていくこと。

絵本に詳しくない人間にとっては、いきなりこの3つのポイントで絵本を評価するのは難しいです。だから、まずは初版から25年を経過した絵本をたくさん読むことを著者は勧めています。私はまだこの段階なので、やはり今は長年愛されている絵本にたくさん触れることが大切なんだなと再確認できました。

 

この本にはもう一つ大きな特徴があります。それは、読み聞かせの方法が具体的に解説されている点です。ボランティアや保育の現場で大勢の子どもたちに読み聞かせる際のポイントをとても丁寧に説明しています。絵本の選び方、絵本の持ち方に加え、読み聞かせに最適な絵本の紹介もされており、とても実践的な内容でした。私は最近絵本の世界にどっぷりはまってしまい、読み聞かせボランティアに挑戦してみたいという気持ちが沸き起こりつつあるので、イメージトレーニングをする上でとても参考になりました。もちろん娘に読み聞かせをするうえでも。

 

絵本や読み聞かせに関する書籍を読むのはこの本で11冊目ですが、まだまだ新しい発見があり、絵本の世界の奥深さを感じることができました。「絵本についてもっと勉強したい!」そう思わせてくれる1冊でした。

 

『えほんのせかい こどものせかい』

 

 

 

 

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