『新版 保育と絵本』を読みました。
どちらかと言うと保育士さん向けの本なので、子どもの発達とそれに合わせた絵本の選び方が解説されていて、今後の絵本選びと読み聞かせのタイミングを考えるうえでとても参考になる本でした。
目次
内容
0歳から6歳までの子どもの発育過程と、それに合わせた年齢ごとのおすすめの絵本を紹介している本。
0~1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳と各年齢ごとにそれぞれ20冊の絵本を紹介している。
紹介された絵本については、絵本の概要、その年齢で読み聞かせる理由、読み聞かせた時の子どもの反応などが綴られている。
紹介されている絵本は初版から20年が経過したロングセラーばかりなので、良く知られた名作ばかり。
そのため、絵本に詳しい人には物足りなく感じられるかもしれないが、この本の最大の特徴は子どもの発達にあわせて絵本が選ばれている点。
出版社は対象年齢を「3歳から」としている絵本を5歳や6歳で紹介しているものもある。
それは、保育の専門家であり、子どもの発育に詳しい著者ならではの視点によるもので、子どもの発育過程に詳しくない親にとって非常に参考となる内容となっている。
巻末には「発達の道すじと絵本の例」という付録が付いており、本書で取り上げられていない絵本も年齢ごとに数冊紹介されている。
感想
今まで絵本選びについて書かれた本を数冊読んできましたが、本書のように、子どもの発育にあわせた絵本の選び方について書かれた本は初めてだったので非常に参考になりました。
本書で取り上げられている絵本は初版から20年以上のロングセラーがほとんどなので、初めて知る絵本は少なかったですが、「5歳児になるとこういうことが理解できるから、この絵本は5歳の時に読むとより深く理解できる。」といった、子どもの発育を考えたうえで年齢ごとに絵本が選ばれている点がとても参考になりました。
例えば福音館書店の『せんたくかあちゃん』という絵本。
出版社は対象年齢を3歳からとしておりますが、「方言による表現のおかしさやニュアンスを自然に理解できるのは5歳頃なので、この絵本の魅力がいかんなく伝わるのは5歳。」といったことが書かれています。
5歳未満の年齢に読んではいけないわけではなく、「5歳頃になると、よりこの絵本の魅力が伝わりますよ。」と書かれているだけなので強制というわけでもありません。
対象年齢を過ぎた絵本を子どもが読みたがると、親はついつい「年齢にあったものを読んで欲しい。」と思いがち。
でも、それってすごくもったいないことなんだなと本書を読んで思いました。
3歳の時に読み聞かせた絵本でも、子どもは5歳で読むと3歳の時には気づかなかったことに気づけたり、得られなかったものが得られたりする。
だから、小さい頃に読み聞かせた絵本を大きくなってから読んで欲しいと言ってきても、否定したりせずに何度も読み聞かせてあげようと思いました。
本書の後半には幼年文学のリストと一人読みへの導き方も書いてあり、こちらも大変参考になりました。
読み聞かせに関する本には必ずと言っていいほど、「子どもが自分で読むと言うまで読み聞かせを続けるべき!」と書かれているのですが、子どもがひとり読みできるようにするための導き方は書いてありませんでした。
本書では、子どもが自然とひとり読みを始める過程が書かれており、とても参考になりました。
「絵本をたくさん読み聞かせしたのに子どもは本好きにならなかった。」という親のことばは良く聞きます。
それは、読み聞かせを止めるタイミングを子どもではなく親が決めてしまったからなのかなと本書を読んで思いました。
私はできる限り長く娘に読み聞かせしたいと思っているのですが、いつか娘から「もう自分で読むよ。」というサインが出始めるまではしっかり読み聞かせを続けようと思います。
その過程がこの本のおかげでしっかりイメージできました。
これからこの本をちょこちょこ開いて、娘の発育を確認しながら絵本を与えていこうと思います。
この本には『新版 保育とおもちゃ』というシリーズもあるようです。
こちらも読んでみようと思います。
『新版 保育と絵本』は楽天ROOMに載せています