『伸びる子どもは○○がすごい』を読みました。
本屋さんで目に止まり、「今、親たちができることは?12歳までの教育がその後の人生を決める。」という帯に惹かれて購入したのですが、正直期待外れでした。
目次
内容
忍耐力のない若者が増えていることを指摘し、その原因を解説している本。
今時の若者は傷つきやすい感受性の持ち主が非常に多い。
その原因は、考え方や環境が違うのに、アメリカ流の「ほめて育てる」「叱らない子育て」というものが日本の中でもてはやされるようになった結果である。
「ほめて育てる」「叱らない子育て」というのは、親がラクをすることには貢献しても子どものためにはならない。
ほめて育てたことにより子どもの自己肯定感は低下の一途をたどっており、傷つきやすい若者、我慢できない若者、頑張れない若者が増加しているのが現状である。
この状況を打開するには、非認知能力、なかでもレジリエンスを育てることが重要。
レジリエンスとは「諦めない心」のこと。
本書の後半では、レジリエンスを育てるために親ができることを紹介している。
感想
冒頭にも書きましたが、期待外れな本でした。
本書の感想は、ひとことで言えば、昔は良かったおじさんの愚痴を飲み屋で聞かされている感じ。笑
現代の若者の特性について、会社や教育現場で行ったアンケート結果を本書の中で公開しているのですが、「以前と比べて~」とか「~が増えていると感じる」というアンケートの質問に対して、「以前」とはいつのことを指すのか、「増えている」とはいつと比較しているのかが明確に示されていません。
私も今、仕事で20代の人たちと接しているので著者の言いたいことはわかるのですが、アンケート結果をエビデンスというにはちょっと弱いかなと思いました。
そのうえ、傷つきやすい若者が増えている原因はアメリカ流の「ほめる子育て」「叱らない子育て」を取り入れた結果だと批判しているのですが、それを証明するものもないし、この状況の打開策として著者が打ち出してきたのもまた、アメリカで研究されている「非認知能力」の育成。笑
なんだか「非認知能力」が出てきた瞬間に読む気が失せてしまいました。
「非認知能力」を否定する気はありません。
実際、私は学力よりも「非認知能力」を伸ばすことを意識して娘と接しています。
でも、さんざん「アメリカ流の子育てが良くない」と言っておきながら、「非認知能力だ~レジリエンスだ~」と言われても…。
でもまぁ、全然役に立たなかったとは言いません。
「レジリエンス」に関する内容は良い復習になりました。
改めて、娘の「諦めない心」「やり抜く力」「忍耐力」を育てなければと再確認できました。
「なんでもかんでもほめればいいわけではない」、「叱るべき時は叱る」という覚悟もできました。
色々思う部分があっただけに、他の本より鮮明に脳に刻み込まれたので、それはそれでよかったかなと思います!