『夏の庭ーThe Friends』を読みました。
『子どもを本好きにする10の秘訣』で小学校5~6年生向けの本として紹介されていたものです。
ジャンルは命・生き方。
「死」を扱っているのにどこか懐かしく、さわやかな物語です
目次
あらすじ
「人の死ぬところが見たい」という理由から、小学6年生の仲良し3人組である木山と河辺と山下は、あるおじいさんの監視を始める。
監視をしていることがすぐにおじいさんにばれ、最初はおじいさんに疎ましく思われていた3人。
しかし、ひょんなことからおじいさんのお手伝いをするようになり、次第に仲良くなっていく。
3人がおじいさんの家に出入りするようになった夏の終わり、彼らは忘れられない体験をする。
感想
本の背表紙にあるあらすじを読んで、この本は「死」について教えてくれる物語なのかなと思っていたのですが、「死」についてはもちろん、もっと大切なことを教えてくれる物語でした。
私が思うもっと大切なこと。
それは「人には人の人生がある」ということ。
今はおじいさんでも、産まれた時からおじいさんなわけではありません。
その人にも赤ちゃんの時代があり、子ども時代があり、青年時代があり…。
おじいさんにはおじいさんの人生がある。
これまで歩んで来た過去と、そしてこれから歩んでいく未来が。
物語のとあるシーンで、少年たちはそのことに気づきます。
これって、子どもにとってはすごく大きな気づきなのではないかと私は思いました。
「死」について関心を持ち始めることは悪いことではないと思います。
みんな、いつかは死ぬわけだし、いつか死ぬから今頑張って生きようって思える。
ただ、方向性を間違えると、ちょっと怖いことを考え始める可能性があります。
本書の3人の少年たちのように「誰かの死ぬところを見てみたい。」とか…。
今はネットで情報を得られる時代。
子どもがネットで「死」について調べ、過激な表現に触れる前に、さりげなくこの本を渡してあげたいなと思いました。
私が本選びの参考にしている『子どもを本好きにする10の秘訣』はこちら↓