先日、本屋さんで懐かしい絵本と再会しました。
タイトルも、表紙の絵も覚えていなかったのに、なぜか自然と手が伸びて。
開いた瞬間、過去の記憶が津波のように押し寄せてきたんです。
「この絵本知ってる!大好きだった!」
鳥肌が立ち、心臓はドキドキ。
自分の記憶を確認するように、夢中でページをめくりました。
私が30年の時を経て再会したのは『きょうはなんのひ?』という絵本。
朝、学校に行くまみこはおかあさんに、「きょうはなんのひだか、しってるの?しらなきゃかいだん三だんめ」と謎の言葉を残して出ていきます。
おかあさんが階段を見ると、そこには赤い紐で結ばれた手紙が置いてあります。
手紙を開くと、今度は「ケーキのはこをごらんなさい」と書いてあります。
ケーキの箱を見ると、同じように赤い紐で結ばれた手紙があります。
お母さんが手紙に書かれた指示通りに進んで行くと、最後には…。
というお話。
まみこが用意した手紙に結ばれた赤い紐、手紙に仕掛けられたメッセージ、最後に登場するお父さんとお母さんからまみこへのプレゼント。
どれもすごく印象的で、はっきりと私の記憶に刻まれていました。
ストーリーだけでなく、絵も好きだったんですよね。
絵の作者を見ると、なんと林明子さん。
この頃から、林さんの絵に惹かれていたのかな?なんて思ったり。
何歳頃この絵本を読んでいたのか。
家にあったのか、それとも図書館で借りたのか。
ハッキリとした記憶はありません。
でも、自分で読んでいた気がします。
小学校低学年の頃に、学校の図書館で出会ったのかもしれません。
娘が産まれて、本屋さんの絵本コーナーに足を踏み入れるようになって以来、懐かしい本と再会することが増えました。
絵本の記憶はほとんどないのだけれど、児童書はちらほら。
私はわかったさんよりこまったさん派だった気がします。
私も料理してみたいな~なんて思っていたような…。
大人になってから子どもの頃に読んでいた本に再会すると、懐かしさだけでなく、すごく安心した気持ちに私はなりました。
幼馴染に何十年ぶりかで再会したような感じです。
「あの頃こんなことにはまっていたよね~。」とか「こんなこと考えていたよね~。」とか、本と会話しながら過去の記憶を呼び起こす。
こんなに幼い頃から本との交流があったのかという嬉しさと、本を通して過去の自分を振り返ることができた嬉しさをかみしめる。
私には30年も付き合いのある友達はいないので、過去の私のことを話してくれるのは両親だけです。
でも、それはあくまでも両親の目から見た私。
学校で友達とどんな話をしていたのか、何を考えていたのかまではきっと両親も知らないと思います。
当時好きだった子のこととかも。笑
子どもの頃に読んだ本には、その本を読んでいた頃の自分と対話させてくれる力がある。
そんな風に思いました。
娘にも、こうやって過去の自分をふり返らせてくれるような本との出会いがあるといいな。
たくさん読まなくてもいい。
でも、何年経っても忘れない本を1冊は持っていて欲しい。
私にできることは、幼児期のうちにたくさん絵本を読んであげることと、欲しいと言った本を買ってあげること。
あとは、娘を本嫌いにしないようにそっと見守ることぐらいしかできないけれど。
いつか、娘が一生記憶に残るようなお気に入りの本に出会える日がきますように。
そしてあわよくば、30年後、娘から「この本、子供の頃大好きだったんだー!」という言葉が聞けますように。笑