『10億件の学習データが教える理系が得意な子の育て方』を読みました。
算数・数学が苦手だった私は、「これ、私が小学生の時に教えて欲しかったー!」と思いながら読みました。
小学生のお子さんがいる方には今すぐこの本を読むことをおすすめします。
ぜひお子さんのために読んであげてください。
目次
内容
著者はRISU Japan株式会社 代表取締役の今木智隆さん。
RISU Japan株式会社とは、小学生向けのタブレット型通信教育サービスを提供している会社で、その中でも有名なのが「RISU算数」。
本書はRISU会員から収集した10億件を超える学習データの統計と、海外の研究機関や文部科学省をはじめ、大手学習塾や出版社が出している統計データをもとに書かれたものである。
算数は、その勉強を通して論理的思考力、問題解決能力、情報整理能力、状況把握能力などを身に付けることができる科目である。
そのうえ、46歳の男性で比較すると、文系よりも理系の方が年収が40万円も高いというデータもある。
そして、この差は今後ますます広まると予想できる。
「算数が得意」ということは、それだけで子どもにとって財産になるのである。
ところが、算数には他の科目と異なる性質があり、子どもがつまづくと厄介な科目である。
算数以外の科目は一部の単元が習得できていなくても、次に進むうえでの支障が少ない。
例えば社会。
平安時代の成績がふるわなくても江戸時代の勉強に支障はない。
歴史ができなくても地理の勉強にも影響はない。
しかし算数は違う。
理解できていない単元があると、次の勉強に進めなくなってしまうのである。
本書は小学生の算数を軸に、子どもがつまづきやすい5つの単元を紹介。
例題が豊富に掲載されており、実際に子どもに問題を解かせることで、その子がどこでつまづいているのかが一目でわかる構成となっている。
つまづき箇所がわかったら、どこに戻って勉強しなおせば良いかも明確。
「うちの子は算数が苦手で!」という方も、「子どもには将来、理系に進んで欲しい。」という方も必読の一冊。
感想
自分の小学生時代を思い返しながら読みました。
私は算数が苦手な子どもでした。
特に中学受験の勉強を始めた小学4年生から、「算数が苦手。算数が嫌い。」という感情が強くなったと記憶しています。
その感情は今も私の中にあります。
そのため、本書の中で出てくる小学生の算数の問題を解くのさえもドキドキでした。
実際に解いてみると、拍子抜けするほど簡単なものばかり。
「中学受験で扱うようなひねくれた問題は掲載されていないから。」というのが大きいかもしれませんが、スラスラ解けたことに驚きました。
平面図形の展開図は相変わらず苦手なようですが…。苦笑
小学生の時にはあれほど難しく感じたものも、脳の成長によるものなのか、大人になってから改めて向き合うと、意外と簡単に感じるものなのですね。
娘は1歳なので、算数の成績を気にするのはまだ先の話ではありますが、本書の内容は娘が勉強としての算数と出会う前の今だからこそ、知れてよかったなと思う内容でした。
もしこの本と出会っていなければ、将来、娘の勉強を見ながら「なんでこんな問題も解けないの!」と感じてしまっていたかもしれません。
そして、あちこちで「うちの子は私に似て算数が苦手で。」とか「夫婦ともに文系だから娘も文系みたい。」と口にしていたことでしょう。
本書によると、これが一番良くないそうです。
子どもは親の話をよく聞いています。
自分のことを「馬鹿」だとか「算数が苦手」だとか言っているのを聞くと、子どもは「そうなんだ。」と思い込み、勉強や算数に苦手意識を持つようになるそうです。
まさに言霊!
だから、たとえ謙遜であっても、「うちの子は算数(勉強)が苦手で。」などとは口にしてはいけないそうです。
本書は、子どもが算数でつまづいた場合にどこから勉強をしなおせば良いかが明確に解説されています。
それも著者の主観ではなく、エビデンスをもとに。
新型コロナウイルスの影響で学校が休校中の今、お子さんの家庭学習でやきもきしている方は多いのではないでしょうか。
「勉強しなさい!」と子どもに口酸っぱく言ったり、やみくもに参考書やドリルを買い与えるのは親も子どもも神経がすり減ります。
親御さんがこの本を読んで勉強や算数に対する考え方を変えることで、状況は一変すると思います。
ぜひお子さんのために読んであげて下さい。
算数が大の苦手だったからこそ、私が胸を張っておすすめできる一冊です。笑