マネバナナ

アーリーリタイアを夢見るアラフォーママが好きなことを好きなように書いています

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』「無知」ほど恐ろしいものはない

 

 プレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読みました。

今、話題の本です。

考えさせられることが多くて、でも、未熟な私は、ただただ文字を追うことしかできませんでした。

 

「10年後、娘が著者の息子さんのように、学校で起きた多様性にまつわるトラブルについて私に相談してきても、著者のようには返せないだろうな。」と、ちょっと自分の視野の狭さに落胆したり。

長くイギリスで生活している著者と、ずっと日本で生活している自分を比べるのも浅はかな行為ではあるけれど…。

日本に住んでいるからこそ、もっともっと世界に目を向けなければいけないと思わせてくれる本でした。

 

目次

 

あらすじ

優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜのイカした「元・底辺中学校」だった。

ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。

人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。

時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。

世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。

(引用元:Amazon)

 

感想

 

著者の息子が「元・底辺中学校」での学校生活でぶち当たる壁について、「多様性」を軸に描かれている本書。

「階級の差」「貧富の差」「移民」「人種差別」「アイデンティティ」「ジェンダー」「いじめ」など、大人でも目を背けがちな問題に、11~12歳の男の子がまっすぐな瞳で現実をとらえ、真正面から立ち向かい、考え、自ら乗り越えていく姿は読んでいて本当に気持ちが良かったです。

一方で、こんなことが世界では起きているのかという、悲しい現実を知ることにもなりましたが…。

 

でも、この本の中で語られているイギリスでの出来事は、日本にとっても、もはや他人事ではないと思います。

積極的な移民の受け入れはしていないけれど、今では日本でも外国人を見ない日はないほどに、日本で暮らす外国人が増えているのは確か。

我が家の周辺でも、たくさんの外国人を見かけます。

彼らに出会うのは病院だったり、コンビニ(店員として)だったり、いわゆる生活圏。

集団下校する小学生の輪の中にも見かけます。

 

日本で暮らす外国人の増加に伴い、ここ数年で「ダイバーシティ」という言葉が良く使われるようになったけれど、日本はその言葉だけがひとり歩きしている状態であることは否めません。

本書の中でも、日本で著者と息子さんが受けた差別的な出来事について書かれているけれど、むしろ日本は、時代に逆行して閉鎖的な考えを持つ人が増えている気がします。

それは対外国人だけでなく、対日本人にも。

 

自分とちょっとでも違う人は受け入れない。

小さい子どもを連れた母親が満員電車に乗ると、「子どもを連れて満員電車に乗るなんて非常識!」っていう発言なんて、その象徴だと私は思います。

「通勤時間帯の電車は会社勤めの人が乗るもの」という固定観念があるから、そこにそぐわない人を排除しようとする。

こんな状態で、これからの日本は大丈夫なんだろうか?

なんだかこの本を読んでいて、日本の未来が心配になりました。

 

本書を読んで、忘れないようにしようと思ったことが一つ。

無知による差別が一番怖いってこと。

言っている本人は「差別」と思っていないけれど、実は差別的発言だったというのが一番怖いなと、本書を読んで思いました。

でも、島国である日本で暮らしていると、特にルーツやアイデンティティに関する話題にはうとくなりがちです。

私は本書を読んで、「ハーフ」という言葉が差別的な意味合いであることを初めて知りました。

むしろ、尊敬の意味を込めて「ハーフなんだ!かっこいい!」なんて、気軽に使っていたけれど…。

無知って本当に恐ろしいです。

 

「多様性」とは何か。

この本は、私が知らない、でも知っていなくてはならない大切なことを教えてくれました。

久しぶりに、「本を読む」という行為の、一番の醍醐味を味わわせてもらいました。

 

 

 

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