え
白川寧々さんの『英語ネイティブ脳みそのつくり方』を読みました。
立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんが帯で絶賛しており、めずらしいなと思ったので。
ひと言で言うと、英語を食べて、食べて、食べまくるイメージの英語習得法。
好みは分かれると思いますが、英語はもちろん、外国語を本気で習得したい人は絶対読むべき本です。
目次
内容
「タイトルからお察しかもしれないが、この本は、ふつうの英語本ではない。」という一文から始まる本書。
その言葉通り、著者は巷に出まわる英語関連の本、及び日本の英語教育を全否定。
日本の英語教育で語られるのは
1.教科、入試科目、点数
2.実用的には、コミュニケーションの道具
2.コミュニケーションの道具とは言っているが、結局のところ受験のための英語である。
日本の英語教育の専門家は「英語を学ばせること」をゴールにする。
「英語圏に生息し、居場所を見つけ、活躍するための入口としての英語教育」が語られることは極めて少ない。
では、この本は「ふつうの英語本」と何が違うのか?
著者は、この本はすべての読者の「英語、勉強しなきゃ」を終わらせるための本だと言う。
最初に著者が読者に提示するのは、英語を習得した先にある世界。
英語の勉強が目的なのではなく、英語を手に入れた先に何があるのかを意識させる。
それから、そこにたどり着くためのプロセスを提示する。
そのプロセスも、巷の英語本とは全く異なる。
『すべての人の「英語、勉強しなきゃ」を終わらせる』の言葉通りである。
著者が提示する英語習得法は「英語版の自分をつくり上げて、自分自身をすごくするプログラム」。
以下、著者が本書で提示する「英語版の自分をつくり上げる」ためのステップ。
STEP1 「声」を手に入れよ
STEP2 本物から学び、ロールモデルから盗め!
STEP1+2 「英語版の自分」をストーリーにしよう!
STEP3 意見を!思いを!文句を!ロジカルに吠えろ!
STEP4 英語で英語のまんま、探究的に学問しよう!
STEP5 英語4技能のためTOFLE®を破壊的に攻略すべし!
STEP6 世界をどう変えたいかって話をしよう
これらのステップをひと言で言うと、「脳を英語に侵食させていく」イメージ。
間違ってもいいから、英語で思考する。
全部は無理でも、単語だけでも英語で表現する。
そうやって、脳を「英語ネイティブ」に変えていくのが本書のメソッド。
間違ってはいけない日本の英語教育とは真逆である。
「受験のための英語」ではなく、英語というコミュニケーション手段を得た先にある世界と、そこにいる自分を見せてくれる本。
感想
『英語ネイティブ脳みそのつくり方』というタイトルではあるけれど、この本を読む目的は英語の習得に留まらないというのが私の一番の感想です。
理由は2つ。
1つは、本書の〈STEP3:意見を!思いを!文句を!ロジカルに吠えろ!〉の部分が日本語を話すうえでも、とても役に立つ内容だから。
日本人にありがちな、
・自分の意見をうまく言葉にできない。
・ついつい結論を後まわしにする。
・非論理的。
といった点はこの本の内容を意識するだけで、改善できます。
〈STEP4:英語で英語のまんま、探求的に学問しよう!〉も、日本語で訓練すれば、プレゼンテーション能力が上がること間違いなし。
もう1つの理由は、このメソッドが英語以外の言語習得にも使えるから。
使える外国語を本気で習得したいという方は、本書の方法は絶対トライしてみるべき内容です。
ただ、1人で挑戦するのはしんどいので、仲間と一緒にトライするのをおすすめします。
著者は英語を食べるように習得したと、この本に書いてありました。
著者が実践した方法は、本書で紹介されているものよりも、もっとストイックなものではありますが、私にとってはこの本に書いてあることも英語を食べるイメージ。
使える英語を習得したいと思ったら、文法を覚えるなんて悠長なことをしている場合ではなく、英語を食べて脳で消化するような行動が必要なんだと痛感しました。
私には、5年後までに達成したい目標が2つあります。
1つは、娘と英語で会話すること。
もう1つは、娘と字幕なしでディズニー映画を観ること。
この本を参考に、英語を食べて、脳で消化する生活を取り入れ始めようと思います。
ちょっと1人ではしんどいので、娘と一緒にできることからトライしながら!