もう一度大学に通って勉強したーい!!と、昨日からうずうずしています。
その理由は、出口治明さんの『知的生産術』を読んだから。
内容を簡単に紹介します。
目次
概要
生産性が低い日本
2019年の日本の実質GDP成長率は1.0%。
アメリカ、ユーロ圏、日本という3つの先進地域の中で、この日本の実質GDP成長率は最低で、世界平均を大きく下回っている。
そのうえ、日本は年間2000時間を超える長時間労働の国。
ユーロ圏と比較した場合、ユーロ圏の年間労働時間は約1300~1500時間で、実質GDP成長率は1.9%。
いかに日本の生産性が低いかが、この比較からわかる。
日本の生産性が低い理由は、日本の高度成長期に生まれた「長時間労働」を未だに従業員に強いているから。
高度成長期の日本の働き方は製造業の「工場モデル」。
当時はベルトコンベアの前で何も考えずに黙々と長時間働いてくれる社員が高く評価された。
しかし、今の時代は工場での仕事はほとんど機械に任され、仕事は「サービス産業モデル」へと変化した。
「サービス産業モデル」は発想力を競う仕事であり、評価されるのは自分の頭で考える人。
デスクにはり付いて黙々と作業をする人ではなく、自分の頭で考えて新しいアイデアを生み出せる人が評価されるのである。
そのために長時間デスクにはり付いている必要はない。
サービス産業モデルで成果をあげられるようになるにはどうしたらよいのか?
① 「メシ・風呂・寝る」だけの生活から「人・本・旅」に切り替える
長時間労働は生産性を下げるだけで、新しいアイデアを生み出すことには結びつかない。
良いアイデアを出すには仕事の外に目を向けることが必要。
〈たくさんの人と出会い、本をたくさん読み、旅をして経験を重ねる。〉
それこそが、「サービス産業モデル」の仕事で成果を出すための学び方である。
②「無減代」を考える
「この仕事は本当に必要か?」
「この仕事を減らすことはできないか?」
「この仕事は他のもので代用できないか?」
という意識を常に持つ。
③「なぜ」を3回繰り返す
社会常識や前例に流されず、「なぜ?」を繰り返し、腹落ちするまで考えてみる。
すると、物事を原点からとらえられるようになり、時代の変化に柔軟に対応できるようになる。
④「枠」や「制約」の中で考える
ルールを先に作る方が時間当たりの知的生産性は高まる。
・何かを決断しなければならない時は10分で答えを出すと先に決める
・残業しないことをルール化する
など、枠を先に作ることで生産性を高めることができる。
⑤「数字、ファクト、ロジック」で考える
数字:相互に検討可能なデータのこと
ファクト:データに関連する事項や過去に起こった事実のこと
ロジック:数字とファクトに基づいて実証的に理論を組み立てること
成功体験ではなく、上記を踏まえてゼロベースから新しく発想することが大切。
⑥考えてもしかたがないことは考えない
時間を有効に使うため、考えても結論がでないものは潔くあみだくじ等で決める。
未来のことなど考えてもわからないことに時間を使うのは無駄。
感想
8月1日からの仕事復帰に備え、頭を仕事脳にするために読んでみました。
概要の②~⑥は、生産性に関する本にはだいたい書かれていることですので、この類の本をよく読まれている方にとっては真新しさはないかもしれません。
①の「人・本・旅」を通して学ぶという考えも、出口さんの他の著書に書かれているので、読んだことのある方にとっては「知っているよ」という内容だと思います。
では、この本の魅力は何か?
私は、2018年1月から出口さんが学長を務めている、立命館アジア太平洋大学(APU)について知ることができることだと思います。
本書の中では、APUで働く人たちの、出口さんに関するエピソードのインタビューが掲載されています。
もちろん、そのエピソードは本書で書かれている知的生産術を高める働き方を実践している出口さんの姿を実証するものです。
そのインタビューや、出口さんが実際に体験した職員や学生とのやりとりを通して、彼らがAPUで充実した日々を過ごす姿を、まるで自分の目で見ているかのように感じることができるのです。
もう一度大学に行くなら、APUで学んでみたいな。
それが叶わないなら、せめて別府にあるAPUをこの目で見てみたいな。
『知的生産術』を読みながら、そんなことをずっと考えています。
APUについて知りたい!とか、お子さんの進路などで良い大学を探してる!とかいうかたにはおすすめです。
もちろん、生産性に関する本を探してる!という方にも。
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