働きたくないけどお金は欲しい
えっ?なに?私の心の声が本のタイトルに?私のための本?
本屋さんでタイトルを見て一目ぼれして買いました。
この本、私以外にもタイトルにつられて買った方、結構いるのではないでしょうか?
タイトルにつられて買った私ですが、最近買った本の中で一番買って良かったなと思える本でした。
投資をしている人にとっては、本のタイトルから何となく内容を推測できると思いますが、まさに「投資をして自由を手に入れましょう」という本です。
ただ、最初から最後まで投資について書かれているわけではありません。
全5章からなる本ですが、1章から3章までは投資をする上で最低限必要となるお金に関する知識について書かれています。
「働くとはどういうことか?」から始まり、労働者と投資家の考え方や行動の違いなど丁寧に書くことで、サラリーマン読者の立ち位置と、投資家の立ち位置の違いをとてもわかりやすく説明しています。
また、お金の役割や価値と価格の違い、信用や仮想通貨についても書かれています。
4章と5章は投資の話がメインになります。
投資と言ってもいろいろありますが、この本では株式投資について書かれています。
4章は投資の入口に立つための内容です。
金融リテラシーについてや引っかかってはいけない儲け話、機関投資家と個人投資家の違いなど株式市場で戦うための最低限知っておくべきことが書かれています。
そして最終章である5章は、これからの投資家はどのような視点で投資する会社を選んだらよいかについて書かれています。
決算書の見方やチャートの見方など細かい銘柄選定術について書かれているわけではありません。
むしろ著者は決算書やチャートからは読み取れない、会社の価値を判断する新たな視点で投資先を選ぶ方法について説明しています。
私がこの本いい本だなっと思った理由
①今まで投資に縁がなかった人が「投資とは何か?」「なぜ投資が必要なのか?」を理解するために必要なことがわかりやすく書かれている。
説明に使われる例もイメージしやすい話を使っているので、とてもわかりやすい。
②仮想通貨や人工知能などについても触れられており、過去の投資家の成功例ではなく、投資の未来についても語られている。
③決算書やチャートをもとにした今までの株の銘柄選定方法に加え、これから必要となる会社の価値の判断基準とその理由を明確に書いている。
一言でいうと、投資未経験者から投資経験者まで幅広い層にとって役立つ本だと思います。
本の前半は投資経験者にとっては既に知っていることが多いと思うので、とばしてもいいと思います。
株式投資をしているけど銘柄選択に自信がない人は5章を参考にすると銘柄を選ぶ基準が変わるかもしれません。
投資未経験者にとっては後半は少し難しく感じる部分もあると思いますが、まずは前半をしっかり読んで理解し、投資への一歩を踏み出すことが大事だと思います。
私たち若い世代は年金をあてにできないため、一般的に「老後資金を作るために投資をしましょう。」と言われます。
この場合の「投資」はあくまでも老後資金を作るための「手段」として語られています。
でも、この本では手段としての投資だけでなく、貯金ではなく投資をする本質についても書かれています。
私たちが銀行に預けたお金は「日本政府やアメリカ政府が自由に使えるお金」に換わっているそうです。
その理由は、例えば私たちが三菱UFJ銀行にお金を預けた場合、そのお金で銀行は日本や外国の債券を購入しているから。
筆者によると三菱UFJ銀行が保有する有価証券は日本国債が37%、外国債券(ほぼ米国債)が37%、その他26%という比率だそうです。
本書ではより詳しく上記の内容について書かれているので、「投資は怖い」と思っている人も考え方が変わるきっかけになると思います。
実際に投資をしてみたけどうまくいかないな、と思った時に後半を読み直すと理解が深まります。