マネバナナ

アーリーリタイアを夢見るアラフォーママが好きなことを好きなように書いています

【小学校3年生・4年生向け児童書】『さかさ町』当たり前を見直すきっかけをくれる本

 

 

出口治明さんの『教養は児童書で学べ』で紹介されていた、『さかさ町』という本を読みました。

小学校3・4年生向けの児童書です。字が大きく、薄めの本なので、見た目はいかにも「こどもの本」といった感じですが、内容はとても深く考えさせられるものでした。


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目次

 

内容

兄妹だけで、ランカスターに住むおじいちゃんの家に汽車で向かっていたリッキーとアン。線路の故障で汽車が先に進めなくなってしまい、途中のさかさ町駅で下車することに。さかさ町は名前の通り、何もかもさかさま。家は屋根を下にして建っているし、車も屋根を下にして走っている。驚いたことに、さかさ町ではものだけでなく、社会のルールもさかさま。働くのは子ども、学校は良い子だけが休日に通う場所、新しいことを学ぶはずの学校の授業には「わすれよ科」という授業がある。

なにもかもさかさまで最初は戸惑うアンとリッキーだったが、さかさ町のルールを理解するうちにさかさ町のことが好きになっていく。

 

 

 

感想

子どもの本だけど、大人の方が考えさせられる。そんな本でした。アンとリッキーが偶然たどり着いたのは「さかさ町」という何もかもさかさの町。最初は家が屋根を下にして建っていたり、料理がデザートから運ばれてきたりと、くすっと笑えるさかさの連続。だけど、読み進めていくうちに、さかさ町の社会のルールに考えさせられる機会が増えていきます。

私が特に考えさせられたのは学校での話。私たちは歴史を過去から現在に向けて学んでいくけれど、さかさ町では現代から過去に向かって学んでいきます。その理由についてアンとリッキーに説明するクロース先生はこう言います。

「いまのじぶんたちの暮らしを学ばずして、見たこともない遠い時代のことが頭にはいるとおもうかね?おまえさんたちの学び方は、ばかげてる。それに学んでいるときに、おどろきがない。すべてにおいて、どうしてそうなったのかを、さきに知ってしまっているのだからな。」

私たちが今いる社会のルールや「常識」と言われるものの多くは、100年くらい前に作られたものです。明らかに時代にあっていないものもあるのに、ルールは変えられていません。日本は少子高齢化が進んでおり、今の子どもたちが大人になるころには、ますます今の社会のルールは時代に合わなくなっているでしょう。本来であれば、親である私たちがルールを少しずつ時代に合わせて変えていってあげなければいけないところですが、なかなか私たちの声は高齢の政治家に届きません。

社会のルールや常識を変えるには、現在のルールや常識に疑問を持つことが大切です。今、私たち親がこの本を一緒に子どもたちと読み、現在の社会のルールや常識に疑問を持ち、どう変えていけば良いかを子どもたちと一緒に考えることで、子どもたちが大人になる10年後、20年後には一緒に社会のルールを変えていくことができるのではないか。この本を読んでそんな風に思いました。だから、お子さんをお持ちの方にはぜひこの本を手にとってもらい、ひとりでも多くの子どもたちが親と考えながらこの本を読む機会を得られたらいいな。そんなことを考えながら読みました。

 

 

 

 

『さかさ町』が紹介されていた出口治明さんの『教養は児童書で学べ』

 

 

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