子育ての疑問・不安が次から次へとわいてくるので、Amazonで子育てに関する本を探してみました。
たくさんある子育て本の中からタイトルと内容を見て『小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て』を購入。
慶應義塾大学医学部小児科教授 高橋孝雄先生が書いた本です。
「トンビがタカを産むは遺伝的にありえない」という衝撃的な話から始まるこの本。
最初は親の夢を壊す本なのかな?と思いました。
親は可能性にあふれた我が子を思い、赤ちゃんの頃から早期教育を受けさせたり、たくさんの習い事をさせたり、お受験をさせたりします。
かわいい我が子を少しでもいい未来へ導いてあげたい、後悔のない子育てをしたいという思いから、頑張るご両親は多いと思います。
でも、子どもの能力は遺伝子で決まっているというのがこの本の趣旨です。
言葉の悪い表現で書くと「運動音痴な両親からはオリンピック選手は産まれないし、学業成績のふるわなかった両親からは学年で1位をとるような子は産まれない。」ということらしいです。
こう書くと、すごくネガティブに聞こえるかもしれません。
でも、決してネガティブな内容の本ではありません。
赤ちゃんはみんな、両親から素晴らしい遺伝子をもらって産まれてきます。
そして、その遺伝子は大人になっても、死ぬまでなくなることはありません。
成長がゆっくりな子も、遺伝子によって持って生まれた才能は必ず花を開く。
だから、親はその時を待って、温かく見守ってあげましょうという内容の本です。
ちなみに、高橋先生自身は子どもの頃は体育が苦手だったそうです。
でも、50代でマラソンを始めたら遺伝子が花開き、今では「日本一足の速い小児科医」と呼ばれているそうです。
親は遺伝子が花開くのを温かく見守るだけ。
そうは言っても、何か手伝えることはないのかと思ってしまうのが親心。
その答えは第2章に書かれています。
母乳育児、保育園に預けることに対するママの罪悪感、早期教育、お受験、発達の遅れなど、子どもの成長過程に応じてわきあがってくる疑問や不安。
その一つ一つを高橋先生が丁寧に解説してくれています。
わきあがる不安や疑問に対して共通して言えること・・・
それは
・親が情報に振り回されないこと
・ママが無理せず笑っていられることが一番であるということ
子どもの能力は遺伝子で決まっているなら、親は子育てで何をしなければいけないのか?
第3章では子育てにおいて最も大切な3つの柱について書かれています。
親が子育てで意識しなければいけないこと。
それは、子どもの「共感力」「意思決定力」「自己肯定感」を養ってあげることだそうです。
・誰かの気持ちに寄り添える「共感力」
・あらゆるシーンで自分のことを自分で決める「意思決定力」
・生まれてきてよかった、自分は自分でいいと感じる「自己肯定感」
これらを高橋先生は「人の幸せを守る、3つの勾玉のようなもの」と表現しています。
本書では「共感力」「意思決定力」「自己肯定感」の養い方、そしてこれら3つの力を壊す、親がやってはいけないことについて書かれています。
例えば共感力の養い方。
子どもが転んだ時に「痛かったねー」と共感してあげる。
やってはいけないのは「大丈夫!痛くないよ!」と親が言ってしまうこと。
自己肯定感も意思決定力も「そんなこと!」というような些細なことだけど、日常的によくある親の発言が本書の中では例としてあげられています。
第4章では高橋先生が病院で見た病気の子どもたちの力強い遺伝子について語られています。
少し辛い話もありますが、遺伝子ってすごいな、子どもって強いなと思わせてくれる実話ばかりです。
〈感想〉
お医者さんの書いた文章だから、難しかったらどうしようかと不安でした。
実際は専門用語などは一切なく、簡単な言葉でわかりやすい例を用いて書かれているので読みやすかったです。
実例として出てくる高橋先生の3人のお子さんのお話は親近感を感じるうえ、先生の主張に説得力も与えています。
私の親は私がやりたいとか辞めたいと言ったことは、すべて私の希望を叶えてくれました。
姉は公立の中学に進学したのに、私が中学受験をしたいと言ったら塾に通わせてくれ、私立の学校に通わせてくれました。
中学も大学も志望校はすべて私が決めました。
就職先に消費者金融を選んだ時でさえ反対せず。
自分の人生を振り返りながらこの本を読むことで、意思決定力は両親にしっかり育ててもらったなと思いました。
約1ヶ月半前から始まった私の子育て。
今はインターネットで調べれば何でも情報が手に入る便利な世の中である一方、SNSなどで他の家庭の子育ても見れたりして不安になることもあります。
「うちはうち」とわかっていても他の子と比べてしまったり、焦ってしまったり。
そんな小さな私の不安を解消してくれる良書でした。
第2章で子育て中のパパ&ママによくある悩みを取り上げてくれています。
赤ちゃんだけでなく、中学生や高校生のお子さんがいらっしゃる方にも役立つ本だと思います。
育児で悩む方は読んでみてはいかがでしょうか?