マネバナナ

アーリーリタイアを夢見るアラフォーママが好きなことを好きなように書いています

小説『舟を編む』とにかく面白い!

 

今更ながら、三浦しをんさんの『舟を編む』を読んでみました。

芦田愛菜ちゃんが『まなの本棚』で紹介していて、興味がわいたので。

 

とにかくおもしろかったです!

辞書作りがこんなに地道な作業で、完成までに長い年月を要するものだとは知りませんでした。

私も愛すべき変人たちに囲まれて、辞書作りに携わりたくなりました。

 

目次

 

あらすじ

 

出版社の営業部員・馬締光也は、言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれた。新しい辞書『大渡海』の完成に向け、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まる。定年間近のベテラン編集者。日本語研究に人生を捧げる老学者。辞書作りに情熱を持ち始める同僚たち。そして、馬締がついに出会った運命の女性。不器用な人々の思いが胸を打つ本屋大賞受賞作!(引用:本書背表紙)

 

主人公は馬締(まじめ)光也。

出版社の営業部に配属されるも、変わり者でちょっと浮いた存在。

それでもマイペースに仕事をこなし、営業部でも不満なく仕事をしていたが、言葉への鋭いセンスを買われ、定年を控えた荒木の後継として辞書編集部へ異動することとなる。

辞書編集部は荒木の他に入社5年目の西岡、契約社員の佐々木、社外の国語学者松本先生で構成されており、各々個性的ながらも協力して辞書作りに勤しんでいた。

荒木からバトンを受け取った馬締は、個性豊かなメンバーに支えられながら多数のトラブルを乗り越え、15年の歳月を経てついに『大渡海』を完成させる。

辞書作りに情熱を注ぐ馬締に呆れたり、時に嫉妬したりしながらも、憎めない馬締をサポートする辞書編集部のメンバー。

自分の役割を見つけ、馬締とともに少しずつ成長していく。

 

感想

最初から笑いが止まりませんでした。

馬締初登場シーンではこみあげてくる笑いを抑えられず電車の中なのに顔がニヤニヤ。

マスクにこれほど助けられたことはありません。

とにかく登場人物たちのキャラがどれも最高です。

いい意味でみんな変人!

もちろん一番の変人は馬締なのですが、辞書編集部のメンバーに限らず、辞書作りに関わる人たちはみんな変人なので、馬締が普通の人に見えてくるほど。

私は製紙会社の社員である宮本の変人ぶりにも驚きました。

製紙会社の人たちは紙作りに対してこんなにも情熱と愛を注いでいるのかと。

生活の中で紙はなくてはならないものだけれど、私は紙の質なんて意識したことがなかったので。

言われて見れば、辞書で使われている紙と文庫本で使われている紙って全然違う!と驚きながら読みました。

 

出版社の人たちも製紙会社の人たちも、みんな自分たちが扱う商品に誇りを持ち、仕事に情熱を注ぐ姿が私にはまぶしかったです。

社会人になってかれこれ15年ほど経ち、転職も2度経験していますが、私は彼らのように自分の仕事や会社が扱う商品に誇りを持ったことが全くないので…。

『舟を編む』の中で、辞書作りに情熱を注ぐ馬締に対して辞書編集部の西岡が「いったいどうしたら、なにかに夢中になれるのだろう。これしかないと思い定めて、ひとつのことに邁進できるのだろう。」と考えるシーンがあるのですが、私自身も常々同じことを考えていたので西岡に対して一気に親近感がわきました。

西岡はチャラチャラしたキャラで、同じ職場にいたらたぶん仲良くなることはない存在。笑

でも、西岡が自分の心と向き合い、仕事に取り組む姿勢は学ぶことが多く、かっこよかったです。

 

辞書作りという想像したこともない世界を体験させてもらいながら仕事についてもいろいろと考えさせてもらい、かつ何度も噴き出してしまうほどの面白いストーリー。

得るものの多い本でした。

この1冊で、作者である三浦しをんさんのファンになったことは言うまでもありません!

 

 面白い本をたくさん紹介してくれている芦田愛菜ちゃんの『まなの本棚』もおすすめ!

 

 

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