『東京ガラパゴス』を読みました。
この本も、『子どもを本好きにする10の秘訣』で紹介されていた児童文学です。
青い海、生き生きとした植物、優しい島の人たち、満天の星空。
今すぐ小笠原に旅立ちたくなる、真っ青な海のような物語でした。
目次
あらすじ
小学5年生の翔は、保健婦である母親の転勤で小笠原諸島に浮かぶ父島に転校することになった。
最初は島流しにあったような気分だったが、イルカやクジラ、都会では見られない不思議な植物に、おいしいフルーツなど、亜熱帯の父島の自然に次第に魅了されていく。
自然に囲まれた小笠原諸島で、翔の心を特に惹きつけたのはウミガメ。
船つき場にいる2頭のウミガメとの出会いをきっかけに、翔はウミガメに興味をもつようになる。
ウミガメについて学ぶ過程で島の人たちとも仲良くなり、次第にクラスメートとも打ち解けていく翔。
ある日、遠足で行ったコペペ海岸でけがをしたウミガメを見つけた翔たちは、大人に内緒でとある計画を実行する。
感想
小笠原の自然が本当に美しい、今すぐにでも小笠原諸島に行ってみたくなる本です。
小笠原の青い海、南国の鮮やかな色の植物、夜光きのこグリーンペペや夜光虫が光る姿、満天の星空、ウミガメの卵。
どれも見たことがないのに、まるで見たことがあるかのように小笠原の自然が目の前に広がっていきました。
ストーリーもとても良かったです。
前半は、翔が島の大人たちと少しずつ顔見知りになりながら、小笠原の歴史やウミガメについて学んでいく様子が描かれています。
翔が見る景色は、そのまま私たち読者が見る景色になります。
翔が「まるで〇〇みたいだ」と言えば、その情景がすーっと読者の頭に浮かんでくる。
翔が感じたことが、そのまま読者の感じたことになる。
翔と一緒に島を探検している感覚を味わうことができ、翔と同じようにもっともっと小笠原の歴史や自然、ウミガメについて知りたい気持ちが沸き立ってきました。
そして、「この物語はこのまま翔が見た小笠原の自然を伝えて終わるのか?」と思い始めた頃、ついに物語が大きく動き出します。
それまで苦手だと思っていたクラスメートであるシャチと少しずつ打ち解け始め、一緒に冒険し、秘密を共有する過程を通して最後には親友のような存在に。
男同士の友情がまたたまらない!
亜熱帯の自然に囲まれた島での友情は大らかで優しくて、この子たちの成長をずっと見ていたくなりました。
今すぐにでも小笠原に旅立ちたい!
そう思わずにはいられなくなるほど素敵な本です。
東京ガラパゴスは残念ながら売り切れ中で、しかも重版未定の本です。
仕方がないので、私は中古で手に入れようと思います
今回は図書館で借りました。。
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