『この子はこの子のままでいいと思える本』を読みました。
読みながら、泣きました。
目次
内容
著者は児童精神科医の佐々木正美先生。
残念ながら佐々木先生は2017年に逝去されており、本書は雑誌『Como(コモ)』の記事、書籍『花咲く日を楽しみに』『佐々木正美先生の子育てお悩み相談室』に加筆修正して再編集されたもの。
母親から寄せられた子育てに関する悩み相談に対し、佐々木先生が回答する形式で本書は綴られている。
寄せられた悩み相談をカテゴリーごとにわけ、本書は以下の6つの章で構成されている。
第1章 「お母さん」が重い
第2章 しつけって難しい
第3章 親子バトルから抜け出したい
第4章 子どもを伸ばす親になるには?
第5章 思春期になる前に
第6章 父親の役割ってなんですか?
母親から著者に寄せられた相談内容は、子どもの発育や問題行動に関することからしつけのこと、仕事・家事と育児の両立、父子・夫婦の関係など、子育て中に誰もがぶつかる壁。
著者は母親の気持ちに寄り添い、1つ1つ丁寧に回答している。
感想
読みながら、泣きました。
先生の言葉が本当に優しくて、温かくて。
絶対に母親を責めないんです。
「我が子に愛情がもてない」という母親に「愛情がない母親がこの相談室に手紙を送ってくるはずがない」と断言し、「子どもに手をあげている」や「子どもを叱りすぎている」と申告する母親に「厳しいことを言いますよ。」って言いながらも、後に続く言葉には愛情がある。
先生は、母親を責めても解決にならないことをわかっているんですよね。
81歳でお亡くなりになったようなのですが、その辺の会社の上司よりもよっぽど今の母親の現状を理解してくださっていることが文章から伝わってきました。
考え方が全く古臭くないんです。
先生の専門分野である子どもの発育に関することや子どもの問題行動に関することはもちろん、ママ友・義両親との関係や仕事との両立に対しても的確なアドバイスをされています。
「いじめられている我が子に親ができることは?」という非常に答えづらい質問にも、先生は「自分だったらこうするかな。難しいかもしれないけど。」と言葉を添えつつも真摯に回答しておられます。
本書に残された先生の言葉はどれもこれも心にとどめておきたいものばかり。
今育児に悩んでいる人はもちろん、そうでない人にもぜひ読んでいただきたい本です。
我が家の娘はまだ1歳。
そこまで大きな悩みは今のところありませんが、子をもつ親として、本書に寄せられた母親の悩みは痛いほどよくわかるものばかり。
きっと私も数年後には同じことで悩むのだろうと思いながら読みました。
その時は真っ先にこの本を開こうと思います。
そうすれば、必ず解決策が見つかる。
最後に、子ザルのように動き回る1歳児を育てる私が、本書を通して先生から受け取ったメッセージを載せておきます。
叱れば叱るほど、子どもは叱られる子になる。
変わるのは大人から。
大人が叱らなくなれば、子どもは叱られない子になる。
子どもの自尊心を傷つけるような暴力や脅しを使った叱り方は絶対にダメ。