『西の魔女が死んだ』を読みました。
先日読んだ『子どもを本好きにする10の秘訣』の中で、子どもを変える厳選291冊のうちの1冊として紹介されていたものです。
テーマは〈命・生き方〉。
魔女修行を通して主人公のまいがおばあちゃんから学ぶことはまさに「生き方」。
そして、「死」を通して命についても学ぶことができる。
短い小説だけど、物語から多くのことを学べる1冊でした。
目次
あらすじ
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過ごした。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。
引用元:『西の魔女が死んだ』背表紙
主人公は中学生になったばかりのまい。
あることがきっかけで学校に行けなくなってしまい、母親の勧めで、自然に囲まれたおばあちゃんの家で1ヶ月ほど過ごすことになります。
おばあちゃんから魔女の話を聞いたまいは、魔女修行を開始。
最初に言い渡されたトレーニングは精神力を鍛えること。
早寝早起きをし、食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をする。
そしてもう一つ、何事も自分で決めること。
これらの掟をまもりながら生活することで、まいはおばあちゃんの家で元気を取り戻し、おばあちゃんの愛に包まれながら人生で大切なことを学んでいく。
感想
おばあちゃんのもとで魔女修行を受けるまいの成長を見守りながら、読者も自然と人生で大切なことを学んでいける、そんな本でした。
おばあちゃんが魔女修行を通してまいに伝えたかったことは、規則正しい生活と自分で決めることで育まれる人生に対する責任。
「世の中には悪魔がうようよしている。彼らは精神力の弱い人間を乗っ取ろうと、いつでも目を光らせている。でも、自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力を身に付ければ、簡単には悪魔に取りつかれない。」というおばあちゃんの話は、読者が生きる世界でも言えること。
こうしたおばあちゃんとまいとのやりとりを通して、物語を楽しむだけでなく、読者もまたおばあちゃんから大切なことを学び取っていけます。
『西の魔女が死んだ』と、その後のまいを描いた『渡りの一日』を読んでもページ数は221ページ。
薄いので、読書慣れしている子なら小学校高学年でも読めると思います。
とても面白いお話なので、読み始めたら物語にぐいぐい引き込まれること間違いなし!
芦田愛菜ちゃんは中学生になってこの本を読み、まいとおばあちゃんのやりとりから、彼女もまた人生における大切なことを学んだそうです。
愛菜ちゃんの著書『まなの本棚』の中で語っています。
中学生前後の子どもにとって「魔女修行」はきっと興味を引くもの。
主人公のまいと同じようにおばあちゃんの魔女話に引き込まれ、彼らもまた、おばあちゃんから人生における大切なことを学ぶのでしょう。
親がいくら同じことを伝えても、全く聞く耳をもたないのに!笑
小学校高学年から中学生になった頃、娘もこの本に出会えるといいなと思いました。
そのためのきっかけ作りとして、『西の魔女が死んだ』は我が家の本棚の「娘へのおすすめゾーン」に忍ばせました。
なんだか私も、「魔女」になった気分。笑
『西の魔女が死んだ』が紹介されていた『子どもを本好きにする10の秘訣』はこちら↓
『西の魔女が死んだ』の感想が綴られている芦田愛菜ちゃんの著書『まなの本棚』はこちら↓