『お金に強い子どもの育て方』を読みました。
子どもが自立し、ひとりの大人として生きていくためにはお金の知識は必須。
学校では教えてくれないからこそ、私は家でしっかり娘にお金のことを教えておきたい。
その手助けになればと本書を手に取りました。
目次
内容
日経マネー編集部の記者が、お金&経営のプロ12名にマネー教育についてインタビューをしてまとめたもの。
第1章:無駄遣いはダメ。ケチもダメ」
第2章:稼ぐ力を育てる
第3章:お小遣いのあげ方、使わせ方
の3部構成。
インタビューに答えているのは
・パックン(タレント)
・柴田陽子(ブランドプロデューサー)
・吉川淳子(ロイターニューヨーク・経済ジャーナリスト)
・佐藤可士和(クリエイティブディレクター)
・森岡毅(マーケター 刀代表取締役CEO)
・田中靖浩(公認会計士 文筆家)
・塚原哲(ファイナンシャルプランナー)
・花輪陽子(シンガポール在住ファイナンシャルプランナー)
・渋澤健(コモンズ投信取締役会長)
・DUKE。(個人投資家)
・横山光昭(ファイナンシャルプランナー)
・井村俊哉(個人投資家 元お笑い芸人)
ファイナンシャルプランナーや投資家から、クリエイティブディレクターやマーケターまで職種は様々。
彼らが我が子に行うマネー教育は貯蓄・投資に限った話ではなく、お金の稼ぎ方や使い方といった「生き方」にまで及ぶもの。
一般家庭では簡単に取り入れられないものもあるが、だからこそ彼らの突出した考え方は参考になる。
共通するのは「お金に縛られることなく、自分のやりたいことを思いっきり挑戦できる人生を送って欲しい。」というわが子への思い。
キャッシュレス時代に突入し、子どもたちの目からはますますお金の流れが見えにくくなっている今、家庭でのマネー教育は不可欠。
「お金について、子どもに何をどう伝えたら良いかわからない。」という人にぜひ読んでもらいたい1冊。
感想
そろそろお金について娘に教え始めたいなと思っている時に、本屋さんで本書に出会いました。
内容は期待以上でした。
書かれているのはお金の機能(交換・尺度・貯蔵)や投資について程度を想像していたのですが、価値と価格の違いの教え方やお金の使い方、稼ぎ方まで幅広い。
彼らのマネー教育のゴールは、子どもの「好き」を伸ばして、それを武器にお金を稼ぐ力をつけてあげること。
「お金が必要だから働く」というお金に縛られた人生イメージを子どもに植え付けないようにしているのが印象的でした。
この考え方、「安定」という道が絶たれた現代から未来を生きる子どもたちにとって、ものすごく重要だと私は思います。
勉強を頑張っていい大学に入っても、安定した人生が送れるとは限らない。
いわゆる大手企業に就職したって給料はなかなか増えないし、いつ倒産するかもわからない。
運よく長く勤められたとしても退職金はあてにならないし、それどころか生活のために死ぬまで働かなくてはならないかもしれない。
いや、働く場所があるだけ幸運なのかも。
AIが普及して、働きたくても働けないかもしれない。
そんな世の中を生き抜くのに必要なのは、「みんなと同じことができる能力」ではなく、「自分しか持たない能力」。
子どもに対するマネー教育というと、日本はまだまだ貯蓄がメイン。
やっと投資教育も少しずつ意識され始めた気がしますが、もうそれも時代遅れなのかもしれません。
これからは「お金に働いてもらう方法」に加えて「自分にしかない能力を使って稼ぐ方法」も重要なテーマになってきていることを、本書を読んで感じました。
突出したものが何もない私には難しい…。
とりあえず、娘の「好き」「得意」の芽をつぶさないように注意しながら育てていこうと改めて思いました。