『ことば力のある子は必ず伸びる!自分で考えてうまく伝えられる子の育て方』を読みました。
娘には読解力とことば力だけはしっかり身に付けさせてあげたいと思っているので、本書を手に取りました。
私が知りたいと思っていた「自分の気持ちや考えを相手に伝えるチカラ」と「相手の話を聞くチカラ」の両方を身に付ける方法が書かれたとても良い本でした。
目次
内容
著者は「ことばキャンプ」という教室を主宰する高取しづかさん。
「ことばキャンプ」とは、米国の学校や家庭で行われていたオーラルコミュニケーション教育と異文化コミュニケーションを分析し、7つのチカラ(後述)を育てるためのトレーニングプログラムのこと。
最近の子どもには
・文章で話せる子が少ない
・「キモッ」「ウザッ」「ビミョー」のひと言で会話をすませようとする
・伝えたい気持ちを言葉にするのが苦手
・聞いても「わかんない」「忘れた」「なにも」としか返ってこない
・語彙が少なく敬語が使えない
といった傾向がみられる。
これらの原因として考えられるのは、ネットの普及と、「良い母にならなければ」と思うあまり子どもに厳しすぎたり甘すぎたりする親の関わり方。
本書では、子どものことば力を弱めてしまう親の間違った言動・行動を指摘し、親子でできる、子どものことば力を育てるためのワークを紹介している。
ワークに取り組むことで育つ7つの力は以下の通り。
〈7つのチカラ〉
度胸力=恐れずに言いたいことを言うチカラ
論理力=話を組み立てるチカラ
理解力=話を理解するチカラ
応答力=話に反応し、働きかけるチカラ
語彙力=表現を豊かにするチカラ
説得力=話し合いをするチカラ
プレゼン力=相手にアピールするチカラ
本書で紹介されているワークは日常の中で行えるもの。
日々の子どもとの会話を見直し、親子でことば力を鍛えられる内容となっている。
感想
子どものことば力を鍛えるための本ですが、私自身にも役立つ内容でした。
本書を読んで思ったのは、ことば力が落ちているのって子どもだけではないのでは?ということ。
ネットやスマホが普及してからというもの、対面でのやりとりが電話に代わり、電話でのやりとりがメールやLINEになり、文字でのやりとりが絵文字やスタンプになりました。
昔と比べれば、大人もことばを使う機会が減っています。
親のことば力が落ちていれば、当然子どものことば力は伸びません。
子どもばかり「ことば力がない」と責めるのではなく、大人のことば力も見直す必要があるなと感じました。
本書では子どものことば力を鍛えるために家庭でできるワークがたくさん紹介されています。
これらはことば力が落ちている大人がやってももちろん効果的!
子どもにだけやらせるのではなく、親子で一緒にとり組めば、会話も増えて良いのではないかと私は思いました。
うちは娘がまだ1歳で、一緒にワークをできないのが残念。
今は本書の最初に書いてあった
・命令や指示をしない
・できないことばかり指摘しない
・ジャッジしない
・先回りして代弁しない
といったことを意識して、娘のことば力の土台をつくることから始めようと思います。
親子に限らず、ことばを交わしていれば、何となく会話している気になって安心してしまうのが家族。
でも、本当に 会話しているのか?
相手の目を見て話しているか?
適当に相槌を打っているだけになっていないか?
命令や指示を会話だと思い込んでいないか?
日々の会話を見直す良いきっかけとなる本でした。