ちきりんさんの『自分のアタマで考えようー知識にだまされない思考の技術』を読みました。
この本を読むのは2度目。
前回は、読んで満足してしまっていたことが判明しました。
目次
内容
「自分の頭で考える」とはどういうことなのか、そのための具体的な方法を解説した本。
人は考えているようで、実は頭の中にある知識を引っ張り出しているだけのことが多い。
例えば何かのデータを見た時、本やニュースで得た知識をさも自分の考えであるかのように錯覚して述べたりする。
これでは自分の頭で考えたとは言えない。
自分の頭で考えること、それは「知識と思考をはっきり区別する」こと、頭の中にある知識を「思考の舞台の外」に分離することから始まる。
本書では自分の頭で考えるための以下の11の手法を紹介している。
①知識と思考を分離する
②情報収集の前に意思決定のプロセスを決める
③数字を見たら「なぜ?」と「だから何なの?」という2つの問いをたてる
④図を使ってあらゆる可能性を探る
⑤縦と横に並べて比較してみる
⑥判断基準の取捨選択をする
⓻レベルを揃えて思考する
⑧自分独自の「フィルター」を見つける
⑨データはとことん追いかける
⑩グラフで視覚化して思考を深化させる
⑪知識は「思考の棚」に整理する
どれも著者が実際に自分の頭で考える時に使用している方法。
具体例が豊富で非常にわかりやすい内容になっている。
感想
前回この本を読んだ時、私は何も学習しなかったようです。
自分の頭で考えるための手法がとても具体的にわかりやすく書かれているにもかかわらず、今の自分の行動を振り返ると何一つ実践していない…。
その事実に気が付き落胆しました。
自分の頭で考えるための最初のステップである「知識と思考を分離する」ことすらできておらず、本書で著者が言う「知識を引き出して思考したと勘違いしている」典型的パターンの人間。
本当に恥ずかしい。
難しい内容の本だと記憶していたのですが、数年ぶりに読み返したら非常に読みやすく、実践しやすい内容でした。
当時の私はまだこの本を読むレベルには達しておらず、数年かけて成長したということでしょうか。
本書で紹介されている11の思考方法はどれか1つ習得すればよいというものではないので、実践を繰り返さなければ完全な習得に至るのは難しいと思います。
私はその一番大事な「実践する」部分を怠ったために、前回この本を読んだときは何も習得しないまま終わってしまったのだと思います。
今回、『自分のアタマで考える』を読んで一番心に響いた言葉は
当時の私のように「答えとしての知識」が目の前に現れてしまうと、さっさと考えることを放棄し、「なるほど!これが答えなのね!すごい!」と感心してそのまま受け入れてしまうような素直な(?)人は、まずは「考える」ことが「知る」こととは違うのだと理解するところからはじめる必要があります。
「知識」と「思考」をはっきり分け、「知識」を「思考」にどう活用するか、ということを学ばないと、「知識を蓄えるだけ、覚えるだけ」になってしまうからです。そうなったら「考える力」はどんどん減退してしまいます。
まさに私のことです。
本をたくさん読むけれど、素直すぎる(?)がゆえに知識を習得して終わり。
年間100冊ほど本を読んでいるのだから、何か形になっていてもいいはずなのに…。
いつも本を読んで新しい知識を得て満足してしまうのです。
きちんと自分の頭で考えられるる人は、本に書いてあることを比較したり、組み合わせたりして自分なりの考えを導きだしているのでしょう。
実は少し前、「モンテッソーリ教育と非認知能力の違いと共通点はなんだ?」と考えてみたのですが、突き詰めることなく考えることを途中で止めてしまいました。
頭の中でイメージするだけだと、なんとなく考えた気になって終わらせてしまうんですよね。
本書を読んで、視覚化すればよかったのかと気づきました。
ブログで感想を書くようになって、「読んで終わり!」からは卒業できたと思っていたけれど、まだまだ思考が足りていませんでした。
本を読んで知識を習得することも大事だけど、考えるときには知識と思考を分離する。
本で得た知識は思考の棚に整理する。
まずはこの2つを意識し、「自分の頭で考える」習慣をつけていこうと思います。