『虹いろ図書館のへびおとこ』という小説を読みました。
本書は第1回氷室冴子青春文学賞を受賞おり、全国学校図書館協議会選定図書にもなっている児童文学です。
懐かしさや発見、考えさせられることが多く、大人でも充分楽しめる本でした。
目次
あらすじ
主人公は小学6年生の火村ほのか。
父親の仕事の関係で転校し、すぐに些細なことがきっかけでいじめられるようになる。
間もなく不登校に。
学校に行っていないことは家族に内緒のため、家にいることもできず辿り着いたのはねずみ色一色、コンクリートでできたおんぼろ図書館。
そこで毎日過ごすうちに、司書の「へびおとこ」や謎の少年と出会い、顔見知りの人たちも増えていく。
彼らと、そしてたくさんの本との出会いによってほのかは少しずつ成長していく。
感想
主人公のほのかがかわいくて、気が付けば娘を重ね合わせながら読み進めていました。
一緒に笑ったり、怒ったり、きゅんとしたり。
それと同時に、自分の居場所の作り方、人を思いやる気持ち、人との違いの受け入れ方、困難に立ち向かう心など、たくさんのことも学びました。
小学6年生ぐらいになると、親に隠しごとが増えてくる時期。
それは仕方のないことだけれど、親としてはいじめられているのなら真っ先に相談してほしい。
でも、そうもいかないのでしょうね。
親に心配をかけたくないとか、子どもなりにいろいろと考えていますから。
もしも娘が将来、いじめられて私たち親に相談もできずに困った時、この本の「へびおとこ」のような人が娘の近くにいてくれたらいいなと思いました。
そして、虹いろ図書館のような場所があればいいな、と。
学校に居場所がなくなったほのかが、それでも命を落としたり、ひねくれたりすることなく、彼女の素敵な部分をさらに伸ばして成長できたのは、図書館という安全地帯があったから。
そこでほのかは、優しい人たちに囲まれ、人の役に立つことを学び、人と人との違いを受け入れ、たくさんの本を読んで知識と視野を広げていきました。
人の成長を助けるのは、やはり人、そして本なのだなと感じました。
物語の最後の方で、ほのかが「あたしさ、終わるのいやだったんだ。だから、最後のページはめくらなかったの」というセリフがあるのですが、そのセリフ、そのままほのかに返したいほど学びの多い、そして面白い本でした。
娘が小学校中学年から高学年くらいになったら、ぜひ読んで欲しい!
我が家の本棚の、将来娘に読んでもらいたい本を並べたスペースに入れておきました。
(私の夢の1つは、娘と本の感想を語り合うこと♪)
この本の魅力を最後にもう一つ。
物語の中では、実在するたくさんの絵本や本が登場します。
絵本好きや本好きなら、「懐かしい~!私も読んだ!」というものも多いはず。
私のような子育て中の人なら、気になったものをアマゾンなどで調べて、子どもに読ませてみるのもいいかも。
私も何冊か欲しいものリストに入れました。
本を読み慣れない子どもには少し分厚いかな?とは思いますが、面白いのできっとどんどん読み進められるはず!
本好きになるきっかけを作ってくれる可能性充分!
親子で読んで、ぜひ感想を語り合ってみて下さい。