和久洋三さんの『子どもの目が輝くとき』を読みました。
子育てに対する「責任」を改めて意識させてくれた本でした。
目次
内容
著者はわくわく創造アトリエを運営する和久洋三さん。
「生き生きと育とうとしている子どもが自分の能力を存分に発揮できる環境を用意してあげたい。」
そんな願いを込めてアトリエを運営し、30年間「童具」をデザインし続けている。
子どもの創造力は果てしない。
その創造力に水を差すのは大人である。
子どもが自分の頭で考え、自分の力でやろうとしていることに対して、大人が「こうした方が良い」「こうした方がきれい」などと口を出す。
その結果、子どものやる気が削がれてしまう。
著者は自ら運営するアトリエで子どもたちの才能を目の当たりにしてきた。
子どもには子どものタイミングがあり、イメージを形にする力がある。
それらを最大限に引き出すための準備をしてあげることが大人の役割。
そう考え、著者は日々アトリエでの活動の準備に勤しむ。
本書では、著者がアトリエでの活動を通して子どもたちから学んだ、「子育てにおいて最も大切なこと」について説いている。
感想
本書を手に取った方に一番に注目してもらいたいのは、文章よりも本書の中で紹介されている子どもたちの作品です。
写真の下に何歳の子が作成したものなのかが記されているのですが、作品のすばらしさはもちろん、その年齢にも驚かされます。
決して誰かの真似ではない、その子が見た世界、イメージした世界がしっかりとかたちになっています。
複数の子どもたちが共同で作った作品もまた圧巻。
誰がどんな役割を果たして作ったのか、一人一人がイメージしたものを組み合わせて作ったのか。
「作成過程もぜひ見たい!」と思わずにはいられないものばかりです。
それらの作品を見て感じたのは、子育てに対する責任。
娘の目を輝かせるのか、それとも輝きを奪うのか。
私の言動・行動の積み重ねによってどちらにもなりうるのかと思うと、少し怖くなりました。
娘は間もなく1歳6ヶ月。
これから少しずつ見立て遊びを始めたり、何かを描いたりと、自分の頭の中のイメージを表現し始めます。
「どんな風に表現しようとも、手出し口出しはしない。」
本書で紹介されている子どもたちの作品を見て、そう心に誓いました。
本書を読んで、改めて意識したこともあります。
それは、娘の「絵本を読んで」という欲求に必ず応えるということ。
娘は今、絵本を読んでもらいたくて仕方のない時期です。
起きてすぐでも、洗い物や料理・掃除の最中でも、お風呂から出て真っ裸の状態でも「絵本を読んで」とせがみます。
今までは「娘にも本好きになってもらいたい。」という思いで、その要求にもなるべくすぐに応じるようにしてきました。
でも、本書を読んで意識が変わりました。
著者によると、娘は今、2歳からの「これなに?」という時期に備えて言葉をたくさん吸収しようとしている時期にいるようです。
確かに、娘の言葉の吸収力は目を見張るものがあります。
会話からはもちろん、絵本からもたくさんの言葉を吸収しています。
最近は絵本を読んであげると、単語だけでなく、センテンスも真似しようとするようになってきたほど。
今の娘の「絵本を読んで」という時期は、これから先の成長に通じているもの。
大変ではあるけれど、責任をもって全うしようと思いました。
そして、2歳以降の「これなに?」をきちんと受け止め、4歳からの「自分でやる!」を見守る。
知らなければ「あー面倒。」「子育てって大変だなぁ。」で通り過ぎてしまう時期。
知ったからには、「今この時期が、娘の将来を左右する。」と意識して、日々過ごそうと思います。
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