『子どもの語彙力を伸ばすのは、親の務めです。』を読みました。
ちょっとドキッとするタイトル。
でも、読まずにはいられませんでした。
結果、読んでよかったです。
自分の語彙力と向き合うきっかけとなりました。
目次
内容
タイトルの通り、「子どもの語彙力を伸ばすのは親の務め」という著者の考えをもとに書かれている本。
日本語は大きく、「話し言葉の語彙」と「書き言葉の語彙」に分けられる。
そのうち、日本語全体の約9割は「書き言葉」が占めているともいわれる。
それにもかかわらず、本や新聞を読まず、「やばい」「かわいい」といった言葉ばかりのコミュニケーションが主に若い人たちの間で横行。
著者はこのような状況を危惧している。
著者が考える「語彙力」には以下の2つに意味が含まれる。
①言い回しやフレーズなどの文章も含んだ知識の集合体。
②的確に言葉を操る力全般。
これらは学力に直結するものであり、また社会に出てからも必須の能力と言える。
子どもたちが社会に出て、生きていくうえで必須の能力=語彙力。
これを伸ばすのは、子どもたちが1日の多くの時間をともに過ごし、一番影響を受ける「親」の務めであると著者は主張している。
この考えのもと、本書の第2章から最終章である第4章で、親が子どもに語彙力を付けさせるための具体的な方法をたっぷりと掲載。
・子どもに語彙力をつけさせるために、ぜひ読ませたい名作や歴史漫画の紹介。
・子どもの語彙力を伸ばす親子の会話。
・子どもの語彙力を伸ばすクイズ式勉強法。
など、たくさんのアイデアがつづられている。
本書は小学生の子を持つ親向けに書かれた本ではあるが、未就学児にも取り入れやすい内容も含まれている。
子どもの年齢にかかわらず、子を持つ親にはぜひ手に取ってもらいたい1冊。
感想
娘の語彙力を伸ばすために今からできることはないかと手に取った本ではありましたが、幸か不幸か、読み始めてすぐに自分の語彙力と向き合うことになりました。
自分に語彙力がないことは自覚していました。
それまでも危機感をもっていましたが、特にブログを書くようになって自分の語彙力のなさを強く意識するように。
読書好きなブロガーさんのブログを読むと、ため息が出るんです。
もちろん落胆のため息ではありません。
例えるなら、片思いの相手を思って思わず出てしまうようなため息。
彼らの文章には知的さと瑞々しさがあるんですよね。
で、自分のブログに戻って今度は落胆のため息。
「同じ読書好きなのに、なんだこの差は!」となる。
その理由が本書を読んでわかりました。
私は本を読むことが好きだけど、国語の教科書に載っているような夏目漱石や太宰治、芥川龍之介といった方々の名作を、教科書以外で全くと言っていいほど読んでいないのです。
本書の中で著者が子どもたちにおすすめする名作をたくさん列挙しているのですが、私が自発的に読んだ記憶があるものは、そのうちの3~4作程度。
本を読まないよりは読んだ方が良いとは思うけれど、「語彙力をつける」という意味では手に取る本の質も重要なのだなと実感しました。
まずは自分の語彙力をつけるべく、本書で紹介されている名作を少しずつ読むようにしようと思います。
手始めに、本書で紹介されていた、著者の『理想の国語教科書』を購入して読む本を決めようかと。
娘がある程度言葉をしっかり言葉を話せるようになるまでに自分の語彙力を高め、本書で紹介されている語彙力アップのための取り組みを、娘と一緒に楽しめるようにしたいと思います。
読んだ本の感想を娘と語り合える日が来るのが楽しみです!
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