マネバナナ

アーリーリタイアを夢見るアラフォーママが好きなことを好きなように書いています

小説『神様からひと言』サクサク読めて、スカッとした気持ちにさせてくれる物語。

 

荻原浩さんの小説『神様からひと言』を読みました。

主人公が仕事を通して成長していく王道ストーリー。

手に取ったときは、「マクベスに続き、また分厚い本を選んでしまった…。」とちょっと後悔したのですが、軽快なストーリーであっという間に読み終えてしまいました。

 

 

目次

 

あらすじ

大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉涼平。入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。クレーム処理に奔走する涼平。実は、プライベートでも半年前に女に逃げられていた。ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているやいなや…。

(本書の背表紙より)

 

感想

 

同棲していた彼女が突如姿を消し、勤めていた大手広告代理店はクビ同然の自主退職。

その上、再就職先に選んだ会社は経営陣の派閥争いでグダグダ。

 

その派閥争いの場である会議で、涼平は入社早々やらかしてしまい、リストラ要員収容所と恐れられるお客様相談室への異動が決定。

こんなに不幸が続いたら、私なら自暴自棄になってしまうでしょう。

 

でも、涼平は腐らない。

決して真面目な性格ではないし、会社を辞めなかったのも、「辞められない事情」があったから。

それでも、お客様相談室へ異動した初日に「仕事を教えて下さい。」と、先輩である篠崎に頼む涼平の姿には、同じ社会人として大切なことを教えてもらった気がします。

 

かかってくるクレーム電話は「瓶の蓋が開かない」とか、「カップ麺のフタのイメージ写真にある具材が入ってない」といったしょうもないものから、ちょっと深刻なものまでさまざま。

 

長年、私はいわゆるコールセンターと言われる部署で仕事をしているので、お客様と会社の板挟みになる「お客様相談室」のメンバーの気持ちはよくわかる。

次から次へと巻き起こるトラブルに同情しつつ、自分もお客様相談室のメンバーになったつもりで読み進めました。

 

最初はバラバラだったお客様相談室のメンバーが、涼平の配属で少しずつまとまっていく。

涼平はもちろん、お客様相談室のメンバー全員が少しずつ成長していく。

悲しいこともあるけれど、立ち止まらない。

読んでいて清々しい気持ちにしてくれる本でした。

 

あえてこの本の残念なところをあげるなら、イケメンが出てこないところ。

それどころか、登場するおっさんたちが、私の想像を超える気持ち悪さ。

外見も中身も。笑

 「こんな上司やだー!」というレベル。

いや、食品を扱う会社であってはいけないレベルです。

それもまた、この本には欠かせないスパイスとも言えますが。

 

最後はもちろんスカッとする結末。

仕事のことで悩んでいる時に読むと、その人にとって進むべき方向へそっと背中を押してくれる。

そんな本です。

 

神様からひと言 (光文社文庫)

神様からひと言 (光文社文庫)

  • 作者:荻原 浩
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2005/03/20
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

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