マネバナナ

アーリーリタイアを夢見るアラフォーママが好きなことを好きなように書いています

『月まで三キロ』知ってました?この先にね、月に一番近い場所があるんですよ。

 

伊予原 新さんの小説『月まで三キロ』を読みました。

最近は本屋さんに行っても、自己啓発系やお金・投資関係の本はみんな同じようなタイトルで読み飽きた内容ばかり。

でも、本は読みたい。

そこで、私の知らない世界へ導いてくれるような小説はないかと探している時に出会ったのがこの本。

 内容をご紹介します。

 

目次

 

内容

 

6つのストーリーからなる短編小説集。

「月まで三キロ」

自殺をする場所を探す男と、タクシードライバーの物語。

 

「星六花」

40歳を目前に結婚を意識し始めた女性と気象オタクとの物語。

 

「アンモナイトの探し方」

両親の不仲をきっかけに心を病んだ少年と、アンモナイトを探し続ける老人との物語。

 

「天王寺ハイエイタス」

フツーで何のとりえもない「笹野家次男」の主人公が自分の生きる道を見つける物語。

 

「エイリアンの食堂」

定食屋を営む男とその娘の前に突如現れた、とある不思議な女性との物語。

 

「山を刻む」

結婚して30年、家族のために尽くしてきた専業主婦が、山で出会った大学講師とその生徒とのやりとりを通じて一大決心する物語。

 

感想

 

「内容」で書いた各ストーリーはとてもざっくりしたものなので、これだけ見ると全く興味をそそられないかもしれません。

ですが、どの物語もとても人間味に溢れていて、心温まるものになっています。

 

私が涙なしに読めなかったのは「エイリアンの食堂」

主人公は定食屋を営む男性。

妻を亡くし、小学3年生の娘を男手一つで育てています。

ここ最近、定食屋の常連客となった40代前後のある女性に彼の娘は興味津々。

ある晩、思い切って話しかけてみると・・・。

というお話。

妻の死を乗り越えられずにいた男性、亡くなった母を近くに感じていたい娘。

彼らの心に女性が話す宇宙の話がそっと寄り添います。

電車の中で読んでしまった私は涙を止めるのに必死でした。

 

「星六花」は40歳を目前に結婚に焦る女性の話。

30歳になる直前、周りが結婚していくことに焦っていた自分を思い出しました。

この短編集の中で一番好きな登場人物は、この物語に出てくる「奥平さん」。

主人公の女性が恋をする男性です。

自称気象オタクなのですが、天気の話をしている時の生き生きとした姿がとてもチャーミングなんです。(あくまでも私の「奥平さん」イメージの話です。)

主人公が出会ってすぐに恋をしてしまうのも「わかる!わかる!」と思いながら読みました。

 

不意を突かれたのは「山を刻む」。

長年家族につくし、自分は家族に刻まれてきたと考える女性。

ラストで彼女が下す決断に「えー!!!」と叫ばずにはいられませんでした。

ここだけの話、てっきり不倫に走るのかと思ってましたよ。

物語の中に出てくる山の景色を思い浮かべ、久しぶりに山に登りたくなりました。

(学生時代、よく山に登っていました。)

 

私が考えるこの小説のおすすめポイントは3つ。

①物語の終わりが読者の想像をかきたてる!

どの物語も「えっ!ここで終わっちゃうの?続きが読みたい!」と思わずにはいられない終わり方をします。

すべての登場人物がこれからどんな未来を歩むのかは読者次第。

でも、不思議と私は暗い未来を想像する物語は一つもありませんでした。

特に「アンモナイトの探し方」の主人公である小学生の男の子と、「エイリアンの食堂」の女の子の未来が楽しみで仕方ないです。

「彼らは小学生の時にこんなに素晴らしい話を大人から聞けて幸せだな。きっとこの体験はこの子たちの未来に大きな大きな良い影響を与えていくのだろうな。」

「娘にも同じような経験をさせてあげたいな。そうだ、地質学と宇宙に関する図鑑を買ってあげよう!」なんて考えながら読みました。

 

②物語を通して理系の世界にひとっ飛び!

この短編集では各物語の中に「月」「気象」「地質」「環境」「宇宙」「火山」といった理系分野の話が出てきます。

でも全然難しい内容ではなく、理科とか科学とか物理とかそういったものが大の苦手な私でも理解できるくらいわかりやすく、そして興味をそそられるように描かれています。

この短編集を読んでいて、いつも私の頭の中にあったのは「図鑑を買おう!」です。

 不思議ともっと知りたくなるのです。

どの分野も。

冒頭に書いた「私の知らない世界へ導いて欲しい」という気持ちにしっかり応えてくれる本でした。

 

③その土地・その場所に行ってみたくなる。

まっさきに行ってみたくなったのは「月まで三キロ」の「月」という場所。

ネットで調べてみたところ、本当にあるみたいです。

Wikipediaにも載っていました。

ja.wikipedia.org

「月」という場所も「月まで3㎞」という標識も、どんな場所なのか、この目で確かめてみたいです。

 

「山を刻む」も実際に同じ山に登って、主人公たちが見た景色を眺めてみたいなーと思いながら読みました。

もちろん、私も相棒であるミラーレスを持って!

 

以上が、私がこの本を読んで「おもしろい!」「素敵だな!」と思ったポイントです。

 

最近、小説を読む機会が減って、読みたい本の探し方がわからなくなっていました。

そんな中、『月まで三キロ』との出会いはとても偶然だったけど、「嗅覚は鈍ってないぞ!」と思わせてくれるほどに素敵な本でした。

これからますます寒くなるこの季節。

『月まで三キロ』を読んで心から温まりませんか?

 

 

月まで三キロ

月まで三キロ

 

 

 

 

 

 

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