『お金儲けは「インド式」に学べ!』という本を読んでみました。
著者はインドで独立系会計士として活躍されている野瀬 大樹さんという方。
ときどき出てくる野瀬さんの関西弁が小気味よく、インド人がとてもチャーミングに感じられるおもしろい本でした。
内容を簡単にご紹介します。
目次
内容
タイトルだけを見ると、インドで流行している投資法か何かを教えてくれる本のように感じますが、本書は投資に関する本ではありません。
「お金儲け」とタイトルについていますが、お金に特化した本でもありません。
「日本人はインド人のいい加減さを少し取り入れると、もっと生きやすくなるよ。」という著者からのメッセージが込められた、マインドに関する本です。
本書で紹介されているインド人の特徴はざっくり言うと、
・60点主義。
・フットワークが軽い。
・失敗を恐れない。
・ものすごくポジティブ。
・失敗しても自分のせいだと思わない。
・人にも自分にも寛容。
・お金との向き合い方が真剣。
といった感じです。
なるべく肯定的な表現を使ってみましたが、インド人のgoing my wayな感じが隠し切れず・・・。
著者である野瀬さんは、日本人とは真逆のインド人の特性ゆえ、インドで仕事を始めた当初は「インド人はなんていい加減な人たちなんだろう。」と思ったそうです。
日本人と言えば
・100点主義。
・石橋をたたきまくってから渡るから準備にものすごく時間がかかる。
・失敗は自分のせい。失敗することは許されない雰囲気が強い。
・人にも自分にも厳しい。
・お金について人に話すのはタブー。
人に迷惑をかけることを悪とする、よく言えば真面目な国民性ですよね。
しかし、著者はインド人との付き合いが長くなるにつれて、日本人の100点主義は自らの首を絞めているのではないかと気づいたそうです。
そこで、インド人との間をとって70点主義になることを日本人は目指してはどうか?と本書で提唱しています。
感想
みなさんは、インド人に対してどんなイメージがありますか?
正直、私は具体的に「〇〇な国民性の人たち!」というイメージが、インド人に対して全くありませんでした。
まぁ…でも、あまり良いイメージはもっていないかな…。
2012年にインドで起きた集団レイプ事件があまりにも衝撃的で、女性が訪れるのは控えたい、ちょっと怖い国というのが私がもつインドのイメージです。
国民性と一括りにしてしまうのは真面目に生きている多くのインド人に対して失礼だとは思います。
でも、この事件以降、インドでのレイプ事件が目に付くようになってしまって、私の中でなかなか拭えないインドの負のイメージです。
13憶人の人口を抱え、経済成長率6~7%の今や世界経済に欠かせない国!と言われても、「行ってみたーい!!」とはちょっとならない・・・。
ですが、『お金儲けは「インド式」に学べ!』を読んでみて、少しインド人に対するイメージが変わりました。
野瀬さんの文章力によるものかもしれませんが、本書を読んでいたら、インド人がなんだかとてもチャーミングな人たちに思えてきました。
でも、本当にイメージが変わったのはインド人よりも日本人かもしれません。
本書を読むと、インド人を主体にして客観的に「日本人」という国民性を見ることができるので、日本人って面倒な人種だなって思ってしまいました。
「人に迷惑をかけてはいけない」「次の人のことを考えて行動する」「仕事に責任をもつ」「常に最高のサービスを」って、とても大切なことだけど、人のことばかり考えて行動するのはやっぱり疲れます。
その反動が、突然電車やバスの中で見ず知らずのひとに説教をたれたり、SNSで自分の考えを他人に押し付けたりする行動に表れてしまっているんでしょうね。
日本中のみんながこの本を読んで「よし!これから日本人は70点主義でいこう!」って声掛けして一気に国民性が変わったら生きやすくなって嬉しいけど、私が育休から職場復帰するまでに大改革が行われる可能性は低いので、少しでもストレスを減らすために自分はこの本を参考にして手を抜けるところは抜くようにしようと密かに思いました。
(それがまた、他人からのあらぬストレスを呼び起こしませんように・・・と心の中で願いつつ。)
人にも自分にも優しく。
まずは夫に優しくすることから!
…できるかな?(笑)
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