今回は保険を見直す際のポイント~その3 医療保険編~です。
医療保険は入院したらいくら、手術をしたらいくらというのが一般的です。
正直、保障内容はどこも似たり寄ったりで、今は保険会社同士の価格競争になっています。
医療保険を検討する際にも
保険を見直す際のポイント
①保障の目的(何が不安なのか?)
②保障期間(いつまで保障があればいいのか?)
③保障額(いくら必要か?)
は大切です。
①保障の目的(何が不安なのか?)
医療保険は入院・手術の保障が主契約(木に例えると幹の部分)になっていて、希望に合わせて特約(木に例えると枝葉の部分)を付加する形になっています。
加入者にとって「何が不安なのか?」によって、特約は付加するもの、付加しないものを取捨選択します。
特約をたくさん付加すれば、その分保険料も高くなるので自分の中の「何が不安なのか?」としっかり向き合うことが大切です。
〈一般的に多い特約〉
・がんになった場合の保障
・入院一時金
・通院保障 ※一般的に入院後の通院に対する保障であることが多い
・女性特約
・3大疾病保険料払込み免除特約
※がん・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状況になった場合に、その後の保険料の払い 込みを免除してくれる特約
がんが不安ならがんに関する特約を付ける。
がんだけでなく、生活習慣病全般が不安なら生活習慣病に関する特約を付ける。
入院した際にお見舞いに来る家族の交通費や、子供を一時保育に預ける際の費用が心配なら入院一時金を付ける。
…といったことが考えられます。
医療保険の落とし穴
①医療保険のがん関係や生活習慣病に関する特約を付加する場合は、がん保険や生活習慣病に特化した商品と支払い要件をしっかり見比べることがポイントです。
医療保険のがん特約や生活習慣病に関する特約は支払い要件が厳しかったり、上皮内がんを含まなかったりすることがあります。
それであれば、医療保険は入院・手術だけの保障にして、少し保険料が上がってもがんに関してはがん保険、生活習慣病に関しては生活習慣病に特化した保険に別途加入した方が安心です。
②各社ほとんど違いのない医療保険ですが、手術の対象範囲や外来手術(入院を伴わない手術)も保障されるのか、など細かい違いは少なからずあります。
そういった細かい違いはパンフレットを見比べただけではわからないものも…。
こういう時こそ保険会社や保険代理店の営業の方に確認するといいと思います。
また、保険は加入者にとって大事なことが小さい字で書かれていることが多いです。
加入する前に、面倒でもパンフレットの小さい文字もしっかり読むことをお勧めします。
②保障期間(いつまで保障があればいいのか?)
最近の医療保険は終身タイプが一般的です。
定期タイプの保険もありますが、5年や10年など更新ごとに保険料があがります。
最近はどの保険会社も終身タイプの医療保険に力を入れているので、あえて定期タイプを選ぶよりも終身タイプのものに入った方が良いものに出会えます。
そのかわり、将来を見据えて保険料の払い込み期間を選択するのがお薦めです。
〇歳までの支払いとする短期払いと、生涯保険料を払い込み続ける場合の終身払いでは1回あたりの保険料は終身払いの方が安くなります。
例えば
・年をとるほど病気のリスクが高くなるから、死ぬまで保障はあった方がいい。
でも、年金生活になったら保険料を払えるか心配。
→この場合は払い込み期間を60歳や65歳などに設定した方が安心です。
・高齢になると公的医療保険によって医療費の自己負担が軽くなるから70歳まで保障があればいい。
→途中で解約する予定があるなら終身払いの方が保険料が安いのでお勧めです。
・医療技術は日々進歩しているので、時代の変化に合わせて必要があれば入り直しなど検討したい。
→途中で解約する予定があるなら終身払いの方が保険料が安いのでお勧めです。
なお、医療保険の終身タイプは生命保険のように解約返戻金がないものが一般的です。
「無解約返戻金型」と書いてあれば掛け捨てということなので間違えないようにしましょう。
医療保険に加入して使わなかったら保険料が戻ってくるものや、〇年ごとにお祝い金がもらえるという医療保険もあります。
その場合、掛け捨ての医療保険よりも保険料は高く、保険料の中にいずれ自分が受け取るお祝い金などのお金が含まれていることも認識しておきましょう。
また、医療保険に限らず保険商品全般に言えることですが、保険料は月払いよりも年払いの方が安くなります。
我が家は年払いを扱っている保険はすべて年払いで払っています。
③保障額(いくら必要か?)
医療保険の保障額は主契約の金額を決めることから始まります。
テレビのCMやパンフレットで紹介されているものは日額5,000円と日額10,000円のタイプが多いですが、3,000円や7,000円など1,000円刻みで選べる商品が多いです。
保障額を考えるうえでのポイントは2つあります。
①公的な健康保険に加入している人は高額療養費制度を使うことで1ヶ月の医療費の自己負担額を抑えられる。
高額療養費制度とは
1ヶ月の医療費が定められた「自己負担額」を超えた場合は健康保険から払い戻しされる制度です。
自己負担額は所得により変わります。
例えば
標準報酬月額が26万以下のひとは57,600円
標準報酬月額が28万~50万の人は約80,100円
ただし、注意点があります。
同じ人が同一月にかかった医療費が自己負担額を超えた場合に限られます。
家族での合算はできません。
また、月をまたいで自己負担額を超えた場合は適用されません。
②生活習慣病など重大な病気であっても入院期間は短期化している。
最近は医療技術が進歩し、体に負担の少ない手術方法が増えています。
そのため入院期間は長くても一週間程度と短期化しており、この状況は今後も強化されていくでしょう。
今も入院を伴わない外来手術が増えていますので、そのうち「入院したら日額いくら」という医療保険にお金を払うこと自体メリットがなくなっていく可能性があります。
①②を踏まえると入院に伴う雑費や病院で出る食事代などを考えて日額は5,000円もあれば十分だと思います。
万が一に備えた貯蓄が十分あり、高額療養費制度も利用することで医療保険は不要と判断できれば、加入を見送ることも一案だと思います。
3大疾病などの生活習慣病一時金タイプの保険や介護保険について
上記でお伝えした通り、入院は短期化しています。
ただし、生活習慣病になると病気の進行状況によっては今まで通り働くことが難しくなったり、合併症や再発を防ぐためにその後の通院が長引く可能性があります。
生活習慣病が不安な場合には一時金タイプの保障や収入サポート保険で備えておくと安心です。
一時金タイプの保険や収入サポート保険は対象となる病気や支払い要件が各社ばらばらです。
パンフレットを見ても違いがわからない場合には保険会社や保険代理店で説明してもらった方が安心です。
しかし、介護や認知症になる人が今後増加することは避けられないからこそ、保険会社にとってもリスクが高いために保険料も高めです。
40代・50代で老後が見えてきて不安ということであれば加入も一案だと思いますが、20代・30代であれば今から保険で備えるよりもしっかり貯蓄や投資をして、資産を増やすことが先決だと思います。
以上が保険を見直す際のポイント~その3 医療保険編~です。
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